『エルメス』といえばバッグ。
でもここは、ちょっと違います。
1837年、ティエリ・エルメスがパリのランパール通りに高級馬具の製造工房を開業。後にナポレオンIII世帝室御用達を授与される。
1879年、2代目のエミール・シャルル・エルメスがブティックを現在のフォーブル・サントノーレ24番地に移転。以来、当地は世界の憧れとなる。この頃、第2回パリ万博の馬具部門でグランプリを受賞。
1892年、「オータクロア」を発売。後に女優のジェーン・バーキンのリクエストを加え、縦横比を変えて誕生したのが「バーキン」である。
3代目エミール・モーリス・エルメスはヨーロッパの王侯貴族を顧客に獲得したあと、サンクト・ペテルブルグまで出向いてロシア皇帝への馬具の売り込みに成功。世界を相手にする馬具商としての地位を確立。アメリカでフォードが車の大量生産を始めると、自動車時代の到来を予見し、1923年、馬具以外に婦人バッグや財布、革小物の製造・販売を開始し転換期を迎える。
1935年、「サック・ア・ロア」という、「オータクロア」のハンドバッグタイプを発表。グレース・ケリーが妊娠を隠すために、当のバッグでお腹を抑えた写真が撮影され、以来、「ケリーバッグ」と呼ばれるようになったことはあまりにも有名。
作者は竹宮恵子。 文庫: 206ページ 出版社: 中央公論新社 (2000/01)
初代社長ティエリから5代目ジャン・ルイ・デュマまで、約160年にわたるエルメスの歴史を、流麗なタッチで漫画化。様々な名品・逸品の秘話を、入念な現地取材とエルメス社の全面協力を得て描いています。
竹宮恵子はエルメス社から逆指名でこの本を執筆したそうです。日本戦略の一つとして、漫画での社史の出版を考えた同社は、『乗馬のできる漫画家』を絶対条件に漫画家を探し、竹宮を選んびました。(なるほど、池田理代子ほどフランスのイメージはないが、竹宮にもヨーロッパを舞台にした漫画は沢山ある。)そのこだわりの通り、エルメスは馬具のメーカーとしてスタートしました。お馴染みのマークも馬車です。よって、この本のクライマックスは、「馬車の時代」から「自動車の時代」に移行するときに、同社が生き残りをかけるところです。そこがなかなか良く描けていると思います。
装丁のオレンジに茶色のリボンにひかれて手にとりました。
初の社史がマンガであることに驚きましたが、マンガだからこそエルメスの世界が表現できたのかなと思います。ブランド戦略といい、事業承継の進め方といい、やっぱりエルメスですね。
エルメス アンジャルダン スュールナイルは、2003年の「地中海の庭」に続く世界の庭を発見する旅へと誘う「庭園のフレグランス」第2弾です。ナイル川とその自然からインスピレーションし、創りだした香りはゆったりと流れるナイル川のほとり、クレオパトラが愛した「睡蓮」の美しい風景がまぶたに浮かんでくる上品な香り。シトラスノートのグリーンマンゴーやカラムスなどハーブが芳香を放つ、まさしくナイルへと誘う香りです。楽園へと誘うフルーティグリーン ウッディの香りは心地よい安らぎを与えてくれます。さらに香りにはボトルに彩られえた透明感のあるグリーンの色彩が映ります。2005年限定。
トップノート:グリーンマンゴー、ロータスフラワー
ミドルノート:アロマティックラッシュ
ラストノート:インセンス、シクラメンウッド
今、エルメスで一番の人気を誇るのが「ナイルの庭」です。香りはまさに庭園を思わせるしっとり落ち着く香りで、癒されたい時やリラックス時にオススメです。透明感のある落ち着いた香りはどこか「大和撫子」を思わせます。